うお座のお話

 今回はちょっと気分転換で、夜空の果てに思いをはせてみたいと思います。

 西洋占星術―いわゆる星占いですね―では、うお座は2月19日から3月20日に生まれた人の、守護の星座とされています。

 そのうお座にまつわるギリシャ神話です。

 昔々、美の神アフロディーテとその息子で愛の神エロスが、ふたり連れだってユーフラテス川のほとりを歩いているときのことでした。突然、おそろしい怪物ティフォーン(台風の語源ですね)が襲いかかってきました。アフロディーテとエロスはとっさに魚の姿に変身して、川の中に飛び込み、避難しました。そのとき、川の中で親子が離れ離れにならないようにと、2匹の魚の尾をリボンで結んだということです。うお座の星座絵は、子どもを思う母の姿を象徴したものだ、といわれています。

 ギリシャ神話よりもずっとずっと昔、太古の昔。今から38億年前に最初の生命が海から誕生して、海の生き物から陸の生き物へと進化したと、言われています。そして、人間の手は魚のひれから進化したとも言われています。その手でこそ、人は子どもを抱きしめることができるのです。

 昨今は毒親、毒母という言葉が普通にメディアで流れ、口にしても決しておかしくない世の中になりました。

 けれど、そう呼ばれるお母さんにも、きっと過酷な、つらい事情があるはずです。チャイルドラインは18歳以下の子どものための回線ですが、世の中には困難や悩みを抱える母親のための相談先がたくさんあります。ぜひ、そういうところへつながってもらえれば、と思います。

 母のその手は子どもをぶんナグるのではなく、抱きしめるために使ってほしいと願うばかりです。

うお座

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