2.プログラミングの基礎

変数と代入

変数

数値や文字などの値を格納する入れ物(領域)を変数とよぶ。プログラムの中で複数使用することができる。一つ一つの変数を区別するために変数には変数名を付ける。

代入

変数に値を入れることを代入とよぶ。

値、変数、算術式、条件式、論理式を式とよぶ。プログラムの世界では、式の範囲が広いことに注意すること。式は値を返す

変数に値を代入する

変数名 = 式;

右辺の「式」が返す値が、左辺の「変数」に代入される。

代入の例

フローチャートでは、代入は左向きの矢印(←)で表す

変数名を付ける時の規則(JAVA)

  • 使用できる文字はAからZ、aからz、0から9、アンダーバー(_)、$
  • 先頭文字には数字の0から9は使用できない
  • 大文字と小文字は区別される
  • 予約語は使用できない
  • 長さの制限は無い

※フローチャートでは、わかりやすくするために変数名を日本語でつけてもよい。

変数のデータ型

  • 変数にはデータ型がある・・・プログラム言語により扱いが異なる。
  • 変数宣言するときには変数名と同時に変数のデータ型を指定する必要がある。
  • データ型とは値の種類のことで、整数や実数(浮動小数点数)、文字、文字列などがある。プログラム言語によって扱えるデータ型は異なる。

フローチャートでは、データ型の記述はない。疑似言語では、データ型の記述がある。

比較演算

2つの値を比較する演算を比較演算という。

JAVAとフローチャートでは、比較演算子の記号が異なるので注意が必要。

比較演算の例

比較演算式が返す値

比較演算式は、true(真)またはfalse(偽)のいずれかの値を返す。

比較演算式が成立  true(真)を返す

比較演算式が不成立 false(偽)を返す

比較演算式が返す値(true、false)のデータ型を、boolean型(論理型)とよぶ。

算術演算

四則演算(加減乗除)などの算術的な計算を算術計算という。

算術演算子(JAVA)

プログラムの中では、乗算は「*」、除算は「/」を用いる。

※フローチャートや疑似言語で用いる算術演算子は、乗算は「×」「*」、除算は「÷」「/」どちらを書いてもよい。

算術演算式が返す値

算術演算式は、算術演算の結果の値を返す。

算術演算式の値を変数に代入した例

論理演算

比較演算式が返すtrue(真)とfalse(偽)の2つの値に対して行う演算のことを論理演算という。

代表的な論理演算子に論理積(AND)、論理和(OR)、否定(NOT)がある。

JAVAとフローチャートでは、比較演算子の記号が異なるので注意が必要。

論理演算の例

例 点数(score)が、0≦score≦100なら「正しい」、この範囲外なら「入力エラー」と表示する。

値の範囲をチェックする場合は、以下のように考える。

この数直線のように、条件を2つに分割して考える。

   ① 0≦点数(点数は0以上)  ② 点数≦100(点数は100以下)

この2つの条件を同時に満たすとき、0≦点数≦100であるとみなすことができる。

2つの条件を同時に満たす必要があるので、AND(かつ)で結合する。

score ≧ 0 AND score ≦ 100

論理演算式が返す値

比較演算式は、true(真)またはfalse(偽)のいずれかの値を返す。

配列

配列とは

  • 配列は同じデータ型の複数の値を一つの名前(配列名)と要素番号によって管理する仕組み
  • プログラムの中で複数使用することができる。
  • 一つ一つの配列を区別するために配列には配列名を付ける。

例 整数型配列の例

6人分の試験の点数を配列で管理する。

配列要素の参照

配列内のひとつひとつの要素を配列要素という

配列名[要素番号]

tokuten[3]には、100が入っている

※配列要素の書き方の注意点

  • 配列要素の書き方は、プログラム言語により異なる。
  • 要素番号は添え字とも呼ばれている。
  • 要素番号は、JAVAでは0から始まるが、プログラム言語によっては1から始まる場合がある。

配列要素への代入

tokuten[1]←90

tokuten[2]← tokuten[2]+10

tokuten[3]← tokuten[4]+tokuten[5]

確認問題

1.変数に値を入れることを( a )とよぶ。

2.プログラムの世界で式とは、( a )( b )( c )( d )( e )のことである。

3.式は( a )を返す。

4.データ型には、( a )( b )( c )( d )( e )がある。

5.2つの値を比較する演算を( a )という。

6.比較演算式は、( a )または( b )のいずれかの値を返す。

7.空欄を埋めなさい。

8.四則演算(加減乗除)などの算術的な計算を( a )という。

9.空欄を埋めなさい。

10.フローチャートで記述する算術式を書きなさい。

(1)変数kingakuに、消費税10%をかけた金額を、変数zeikomiに代入しなさい

(2)変数kingakuから、5%割り引いた金額を、変数kingakuに代入しなさい

(3)変数kingakuを1000で割った余りを、変数amariに代入しなさい

11.比較演算式が返すtrue(真)とfalse(偽)の2つの値に対して行う演算のことを( a )という。

12.空欄を埋めなさい。

13.配列は同じデータ型の複数の値を一つの名前(( a ))と( b )によって管理する仕組みである。

14.要素番号は、JAVAでは( a )から始まるが、プログラム言語によっては( b )から始まる場合がある。

15.次の処理を行った後の配列内の値を記入しなさい。

tokuten[1]←90

tokuten[2]← tokuten[2]+10

tokuten[3]← tokuten[4]+tokuten[5]