四季の移ろいと、子どもの伸びゆく時間

ここ数年、「四季がなくなってきた」と感じるたびに、どこか心細さが胸に残ります。
かつて日本の自然は、桜の開花から梅雨入り、真夏の太陽、金木犀の香り漂う秋、そして凍てつく冬へと、暦のように規則正しく季節の訪れを知らせてくれていました。春には薄いコートを羽織り、夏には浴衣を楽しみ、秋には紅葉狩りを計画する——そんな季節と共に暮らす感覚が当たり前だったように思います。

ところが今、季節はまるで役割を急ぐかのように、その境界が曖昧になっています。
季節ごとの風物詩や行事を、ちょうどよい時期に楽しむことが難しくなったようにも感じます。

しかし、そんな「短縮された四季」を感じる一方で、ふと子どもたちの成長に目を向けると、まったく違う時間の流れがあることに気づかされます。
子どもたちの成長は、揺るぎなく巡る四季そのもの。
彼らの一年は、大人よりもずっと濃密で、驚くほどの変化に満ちています。

大人が「秋が短い」「もう冬?」と自然の変化に置いていかれそうになる時でも、子どもたちは自分のペースで、一つひとつの「季節」を踏みしめながら確実に成長しています。

四季が曖昧になった今だからこそ、私たちは目の前の季節の変化を、以前より意識して感じ取る必要があるのかもしれません。そしてその姿勢は、子どもの成長を見つめることにもつながります。

「あっという間に大きくなる」という言葉の裏側には、子どもの「今」という季節が二度と戻らないという事実が隠れています。
どれほど早く成長していっても、その一つひとつの過程を、春の小雨や秋の夕焼けのように、丁寧に見届けたい。

四季の確かさが失われつつある現代だからこそ、子どもたちの伸びゆく時間が、私たちにとっての新しい「季節の指標」なのかもしれません。

Yagio

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