ある日のチャイルドラインとちぎ(3)

実はこの日の中シフト、当番の受け手さんは一人の予定でした(通常は二人体制)。ところがここで突然、ピンチヒッターの受け手さんが登場。???と思っていたら、まもなく元々の当番の受け手さんがやってきました。「ちょっと身体がだるいなという感じがあって。お休みさせてもらっていいでしょうか。」とのこと。ピンチヒッターの受け手さんはすでに交代の連絡を受けていたそうですが、この緊急事態宣言下、元々の当番の受け手さんは、わざわざ直接お休みを伝えるためにここまで来てくれたそうです。電話かLINEで連絡してくれればそれで済んだのに。でも、その気持ちがうれしいです。「ありがとう。健康第一です。大丈夫だから帰ってゆっくり休んでくださいね。」とお見送りしました。お互いに気遣い、補いあえるチームワークの良さ、機動性の高さがCLとちぎの強みです。

そろそろシフト交代の時間です。通話を終えた受け手さんとは、少しの時間ですがソファでおしゃべりします。受け手さんが、肩の荷を下ろして、スッキリして帰ってもらえるよう努めています。受け手さん、おつかれさまでした。気を付けて帰ってくださいね。

やがて支え手交代の時間になりました(支え手は2交代制)。後半の支え手に申し送りをして、前半の支え手はこれで帰ります。後半は、時間が時間ですから(もう夜、外は暗くなっている)、前半のようにバタバタすることは滅多になく、落ち着いて活動に専念できるようです。

電話を受けるのは21時まで。後シフトの受け手さんがオフィスを出ると、支え手は後片付けをして火の元を確認し、しっかり戸締りをして、CLとちぎの活動は終わりました。シフトのみなさま、おつかれさまでした!

ある日のチャイルドラインとちぎ(2)

支え手にとって、しばらくは静かな時間が流れます。…と思いきや、受け手さんからのヘルプがかかりました。支え手は受け手さんのところへ行き、受け手さんをお手伝いします。受け手さん、うまく対応できたようです。良かったです。

支え手が待機場所に戻ると、「こんにちは~、宅配便でーす!」と玄関に明るく元気な声が響きます。今の電話は感度が良くて、電話の向こうの掛け手のお子さんが、こちらの背後の音声を拾ってしまうこともあるようです。実際「今の何?」「話してて大丈夫なの?」と気になる子もいるのです。ちょっとハラハラ。

ここで支え手もひと休み。コーヒーをいれ、クッキーに手を伸ばします。ところが…なんということでしょう、アポなしで訪問者がやってきました(換気のため、まめにドアを開閉しています)。茶色のトラ柄の毛皮をまとった訪問者、近所の猫さんです。猫さんはソファのまわりをゆっくりと歩き、「ワタシもお茶したいニャ」という顔をします。せっかくですが、「お仕事中だから」とお引き取り願いました。

予期せぬ珍客は他にもいます。ある時は、床に小さな黒い生命体を発見。一瞬ドキッとしましたが、よく見ると“秋の風物詩”コオロギでした。CLとちぎのオフィスは掃除が行き届いていて、いつも清潔です。

ある日のチャイルドラインとちぎ(1)

守秘義務とプライバシー保護のため「すべて見せます!」というわけにはいきませんが、ある日の活動の様子を支え手目線で語ります。ところどころ再構成して掲載していることをご了承ください。なお、これ以降“チャイルドラインとちぎ”を略して“CLとちぎ”と表記させていただきます。

開局日、最初にオフィスに入るのは支え手です。活動開始の30分前にはオフィスの鍵を開け、空気を入れ替え、電源ON、今日のメンバーを確認します。

コーヒー、お茶などドリンクを用意し、器にクッキーやチョトレート、お煎餅などを盛り合わせ、受け手さんのお茶菓子とします。受け手さんにホッと一息ついてもらうための、大切な仕事です。

並行して、電話機の動作確認、筆記用具や書類などを準備します。掲示板にある予定表、研修やイベントのお知らせなど(他団体様のフライヤーも多数あり)をチェックして、受け手さんに伝える情報をまとめます。

掲示板の下には、運が良ければ会員のどなたかからシェアされたナスやトマト、柿、ゆずなど季節の野菜や果物、プリンやスナック菓子などが、「ご自由にお取りください」と書かれた段ボールに置かれています。もちろん、ありがたくいただきます。

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こんなことをしているうちに、前シフト(CLとちぎは前・中・後の3交代制)に入る受け手さんが到着します。受け手さんが電話の前にスタンバイして、16時から電話による傾聴活動が始まります。

10月の理事会

10月の理事会(Zoom利用)が行われました。

養成講座を修了した13期生の実地研修の様子、補正予算について、特に、緊急事態宣言が解除された現在、目白押しの外部団体を含めた研修・イベントについて時間をとって話し合われました。

気の早い話かもしれませんが、来年の公開講座の開催も正式決定しました。

コロナ第6派の襲来が懸念されていますが、このまま落ち着いてくれますように。

今年も始まりました

つい最近まで半袖を着ていたのに、今週は涼しいを通り過ぎ朝晩は寒さを感じるようになってきました。

もう10月も後半。

コロナ禍になって3度目の受験シーズンが始まりました。

一昨年度は、まだコロナウイルス感染症というものが、一体どんなものか分からず、3月からの一斉休校の中、受験を迎えた子どもたちもたくさんいましたね。

昨年度は感染者数が増え、国立大学の二次試験を中止する大学もありました。
センター試験から共通テストに切り替わった初めの年でもありました。

ただでさえ、不安がいっぱいの受験生。ましてコロナ禍、どんなに不安だったろうかと思います。

そして今年度。

ワクチン接種も進み、ここ最近は感染症数も驚くほどに減少しています。

子どもたちの不安が減るよう、このままの状況が続くことを願うばかりです。

私たちにできること。
子どもたちの声に寄り添うこと、そして うつらないためにうつさないために油断せず、マスク・手洗い・消毒、密を避けるなど基本的な感染症対策は必要ですね。

チャリティウォーク

お世話になっている認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク主催「第9回チャリティウォーク」に参加してきました。

1昨年までは、宇都宮から日光までいろは坂を登って往復1泊2日を歩き通すという過激なイベントだったので、参加することなど考えもしなかったのですが、コロナ禍の影響で縮小となり宇都宮から大谷多気山往復22㌔のウォーキングとなったのでした。

そもそも、チャリティウオークの前身は、栃木市内や大平町ハイキングのゆるいイベントで、その頃は、楽しく参加した記憶があります。

変わらないのはファンドレイジングの仕掛けのうまさ。参加条件として個人も団体も寄付がいる形式で、今回はお金以外にも物品の寄付が必要です。集まった寄付は県内のフードバンク活動に使われ、自分の寄付を県内に複数あるフードバンク活動を行う団体の中からどこに支援するかの指定もできます。

周りを見渡せば、老いも若きも嬉々として歩く。懐かしい顔ぶれに会って無事を確認する。足を引きずりながら、やっとのことでたどり着いて「ありがとうございました」と、なぜかお礼を言ってしまう。

「まんまとやられた感」もすがすがしい。同じNPOとして、社会問題の解決のための活動には絶対お金も必要なことは身に染みているので、ある意味たいへん勉強にもなった一日でした。

何より、運動できたし!(一人でこの距離は歩けない・・)

うずまのなまず

一昨日10月7日の夜、関東地方は揺れました。千葉県北西部を震源とする、東京都と埼玉県の一部で最大震度5強を観測する地震でした。栃木県では、震度3~4でした。栃木県の最南端(埼玉県と茨城県の県境付近)は、最大震度5強を記録した埼玉県宮代町から車で1時間程度の位置にありますが、震度3だったというから驚きです。地質や地形の違いでしょうか。

そろそろ寝ようか…という時間帯だっただけに、びっくりされた方も多かったでしょう。怖い思いをされた皆さま、被害に遭われた皆さま、お見舞い申し上げます。

栃木県は昔から災害の少ない県だといわれていますが、栃木市にはこんな郷土玩具が伝わっています。

“巴波(うずま)の鯰(なまず)”という、地震除け、災害除けのお守りです。

子ども虐待事件のこと

重い内容です。気が向かない方はスルーしてください。

またしても悲しい事件が起こってしまいました。大阪府内で3歳の男児が母親の交際相手に熱湯を浴びせられ、虐待死させられたという事件です。こうした悲しい事件は、いつまでたっても後を断ちません。

かつて栃木県内で、幼い子どもに対する凄惨な事件が起きました。2002年11月、宇都宮市で里子として引き取った当時3歳の女児を里親が暴力をふるって死なせてしまう、という虐待事件でした。そしてその2年後、同じ栃木県小山市で、またしても幼い兄弟(3歳と4歳)が同居の男によって橋の上から川に投げ込まれ、殺害されるという痛ましい事件が起きました。これらの事件は全国に広く報道され、人々の大きな注目を集めました。

どちらも児童相談所がかかわっていながら命を救えなかったということで、児相の体制や意識の甘さ、行政の連携の悪さなどの問題が指摘され、メディアや関係各機関に多くの批判が寄せられました。その後、子ども支援を充実させようと様々な対応がとられることとなりましたが、実際にはなかなか現実に追い付いていないようです。

不本意に命を奪われてしまった幼い子どもたち。この世に生を受けて、まだいくらも生きていなかった子どもたち。ひどい目にあわされ報われることなく天国へ行ってしまったのです。本当にむごい話です。子どもたちがかわいそうでなりません。

でも…この事件をきっかけに児相はじめ行政側の対応が変わりました。里親への支援体制が配慮され、強化される方向へ進んでいます。といってもまだまだ不十分なところが多すぎですが、それでも以前に比べればずいぶん良くなったのではないかと感じます。そしてそれによって、以前ならば悲惨な境遇に陥ったかもしれない子どもを救うことにつながったケースも、多々あるだろうと思います。

3人の子どもの命が奪われたのは本当に痛ましく悲しいことですが、結果として、この子たちが身をもって児相や行政の意識や対応を変えてくれたのだと思います。後に続く子どもたちのために、とてもとても大きな未来を残してくれたのだと思います。3つの命は決して無駄にはなっていません。

この記事を読んでくださった皆さま、このように書くと、悲惨な結末を迎えた子どもたちの死を美化しているように受け取る方がいらっしゃるかもしれませんが、決してそうではありません。誤解なきようお願いします。虐待、殺害は凶悪犯罪です。

虐待で命を奪われた子どもたち、天国で安らかに眠ってください。あなたたちの冥福を、心から深くお祈りします。