「よきことをなす人」たちのセクハラ

 認定NPO法人ウイメンズハウスとちぎの性暴力を考える講演会に参加しました。臨床心理士の信田さよ子さんの講演で、タイトルは「よきことをなす人」たちのセクハラ。
 「よきことをなす人」とは、つまり権威のある人、一見してセクハラなんてするわけない、と思われている人達を指す。学校の先生、著名な作家、報道写真家、映画監督などである。権威ある人たちのセクハラに、周りの人はみんなわかっていても、その道の実力者なので報復を恐れて黙認していた。世界的なME TOO運動により、女性たちが声を挙げ始めた。一人の声は小さくても、大勢が声を挙げれば、状況は変わる、というお話だった。

 今この時代は、大きくセクハラを許さない、ハラスメントを許さない、という人権問題の変革期にあるのだと感じた。

 私が社会に出た25年ぐらい前の話だ。職場の歓迎会(しかも、私の)のとき、部長のあいさつのあと、ボディコンを着たコンパニオンの女性が一斉に宴会場に入ってきた。何も聞いていなかった私はほんとにびっくりした。男性の大多数の職場だったからだと思うが。
 それからも、えっ、と思うことはいろいろあった。この場をやり過ごせばなんとか、社会とはこんなもんだと納得させてきた。黙ってきた。これが、今の若い世代の人たちに悪い風習を残させてしまったのだな、と講演を聞きながら思った。

 はじめの一人はすごい勇気がいる。でも、勇気を出して言ってくれた人を、絶対がっかりさせてはいけない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です