黄色いすずめ

中学生の息子が、「黄色いすずめ」の話をしてくれた。

学校からの帰り道、信号待ちで止まっていたら、すずめが黄色かったそうだ。

なんだろう、と見たら、お腹の白い部分に黄色い花粉がついていた、とのこと。

今年は、例年の10倍以上も花粉が飛ぶそうだ。

乾燥して、風が強い日が続いたので尚更だろう。

すずめは、花粉をつけて、どこに向かったのだろう。

海を越えることはないにしても、となり町ぐらいには行くかもしれない。

すずめの赴くままに旅をし、地面に着地する。

運よく土の表面にたどり着けたら、根をはやし、ようやく成熟した姿を現す。

目を止める人は誰もいなくても、彼、彼女なりに命を全うする。

そして、季節が変わるころに、新しい命を、風に、鳥に預ける。

目を閉じて、思いをはせると、風景が思い浮かぶ。人も同じだなぁ。

(ハンドルネーム きりさん)

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