新たなスタートに寄せて

2001年2月、「子どもたちの声をうけとめる」その想いだけで産声を上げた「チャイルドラインとちぎ」は、お陰様で丸22年を迎えることができました。その間多くの皆さまにこの活動をご理解・ご支援頂きましたこと、改めてこの場を借りて御礼申し上げます。

今では認定NPO法人格を取得してから10年経過し、社会的責任を負いながらも変わりなく「子どもたちの声をうけとめ」更にその声を「社会に発信する」というミッションを果たすべく、地道に活動して参りました。

そしてこの度、松江比佐子前理事長のバトンを受け継ぎ理事長職をお預かりすることとなりました私、福本佳之と申します。本来であればご支援頂いている皆様お一人お一人に直接ご挨拶するところではありますが、まずはこの場を借りてご挨拶申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

僭越ながら私の事を少しお話しさせてください。私は1975年北海道根室市の出身です。

当時の田舎町では一般的でありましたが、大学進学を志すと高校生から親元を離れ一人暮らしを始めます。現代ほどに情報手段が発達していなかった当時、15歳の少年が親元を離れることはまさに「自立」そのもの。友人は出来たとしても簡単に親を頼れなかった私がたどり着いたのが、親でも先生でもない第3の「大人」でした。

 下宿先のおばさん、ラーメン屋のおばちゃん、床屋のオヤジ、そんな何気ない日常で出逢う「大人」が、私にとっては親代わりの大切な話し相手でした。恐らく、いや間違いなく私にとってのチャイルドラインの「受け手」がそこに存在していたのです。

今頃になって気づく「大人」の有難さ。私たちチャイルドラインとちぎも、子どもたちの「今」に寄り添いつつ、彼らの「未来」を応援する、そんな存在であり続けたいと想っております。

2023年度は「こども家庭庁」が設置され、時の政府は「異次元の少子化対策」を打ち出しています。政府がわざわざ宣言するということは「対策が遅れている」という裏返しでもあります。

チャイルドラインとちぎは、子どもの権利条約の理念のもと、「子どもと大人と対等な存在であり、社会をつくるパートナー」という子ども観を大切に、「子どもは社会の鏡であり、宝である」ことが当たり前となる社会の実現に向けて活動していきます。今後ともご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

認定特定非営利活動法人 チャイルドラインとちぎ
理事長 福本佳之

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