ラーケーション

昨年頃から新聞やテレビで、「ラーケーション」なる言葉を耳にするようになりました。

ラーケーションとは、ラーニング(leaning=学習)とバケーション(vaction=休暇)を組み合わせた造語で、学校へ通う子どもが年間最大3日まで保護者との校外学習を目的に、自分が休みたい日に学校を公欠できるという、社会人でいうところの有給休暇のようなものだそうです。多くは、保護者の休みに合わせて学校を休む、ということになるのではないでしょうか。世の中のすべての社会人が土・日曜日、祝祭日休みとは、限りませんから。

まだ学校が週休二日制になっていない子ども時代を過ごした私にとっては、3日だけとはいえ自由に学校を休んでいいなんて、まるで夢のような制度です。ああ、今の子どもがうらやましい!

さて、ラーケーションをとって何をするかというと、その名の通りラーニング、お勉強ですよね。
家族や親せきなど保護者と一緒に、美術館や博物館を見学したり、アウトドアやキャンプなど自然体験をしたり、旅行をしてその土地の歴史や地理を学んだり、というように、学校の外で個人的にお勉強をするためのお休みがラーケーションなのだそうです。ですから、決して家でゴロゴロしたりゲームやアニメに時間を費やしたり、自分の好きに遊んでよい、ということではないのです。

ですが、保護者が忙しすぎて休みがとれない、経済的に校外学習などしている余裕がない、そもそもそういう体験に関心がない、という家庭が多いのも現実です。その格差が、いじめにつながる可能性も指摘されています。

私が育った家庭は、父は普通のサラリーマンでしたが転勤族で、子どもたちが中学生になると単身赴任を繰り返していました。母は普通の専業主婦でしたが、父方の実家がすぐそばで親せきも近くにいたことから、父不在の中、姑からよく用事を言いつけられいつも忙しくしていました。
年末年始やお盆の時に双方の祖父母の家に泊まりに行くことはありましたが、家族旅行などは何年かに1回で、“夏休みに○○へ行った”というような友だちの話を聞くたびに、自分がちょっとみじめな気持ちになったことを思い出します。祖父母の家でいとこたちが集まって、人生ゲームやかるた、トランプ大会(実はうちはボードゲーム大好きな一族)で盛り上がったことは楽しい思い出ですが、それとこれとはまた別、という微妙な子ども心がありました。

暦通りの休みがとれない製造業従事者が多い愛知県で始まったというラーケーション、栃木県ではどうなるでしょうか。

すべての子どもがみな平等に、ラーケーションを楽しめる世の中になってほしいものです。

(Iris)

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