晩秋の伊勢路とふれあいの旅 全国フォーラムの思い出 番外編(2)

翌朝6時、私たちは朝食もとらずに薄明の中、タクシーに乗っていました。伊勢神宮(内宮)の宇治橋からご来光(日の出)を見ようと、昨夜のうちにタクシーを依頼しておいたのです。このとき来てくれたのがAタクシーで、運転手はBさんという方でした。

残念ながらこの日は見事なほどの曇天で、目的のご来光は見ることはできませんでしたが、「伊勢の運転手は皆、ガイドができるんですよ」と、Bさんは目的地へ向かう途上で、車窓に見える名所・旧跡や見どころの紹介まで、まさに観光ガイドをしてくださったのでした。

伊勢神宮では内宮に先立って下宮を参拝するのが作法ということで、下宮に立ち寄ったときには私たちとともに下宮を巡り、解説や記念撮影をしてくださいました。宇治橋の左側二番目の擬宝珠のヒミツや“ものごとが良いほうへ進む”という猿田彦神社のこと、その他にもガイドブックには載っていないような地元の情報、美味しいお店の情報を教えてくださいました。

Bさんによると、海の近いこのあたりでは、新鮮な海の幸をその時期で一番美味しい調理方法で提供するのが「居酒屋」なのだそうです。ホテルでお勧めのお店を聞いたときに「居酒屋さんですね」と言われた理由がわかりました。実は昨夜の絶品伊勢エビづくしの居酒屋さんは、割烹のお店でもありました。皇族方も利用されたこともあるという、由緒あるお店だったそうです。なるほど、老舗の風格がただよっていたはずです。

このへんで、私たちは朝食のためホテルに戻らなければなりません。本当はチェックアウトしてからもBさんにタクシーをお願いしたかったのですが、私たちが夜勤シフトの最後のお客さんだったそうです。私たちを降ろしたらシフトからはずれる、ということだったので遠慮しました。

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